テストエンジニアは、ソフトウェアやシステムの品質を担保するために、テスト設計・実施・評価などを行う職業です。近年、IT業界の成長やクラウド化の進展により、テストエンジニアの需要がどんどん高まっています。
そこで、本記事では、テストエンジニアの将来性はあるのか、ないのかや、IT未経験者でも目指せるのかについて現在もテストエンジニアとして働いている私が解説します！
テストエンジニアって何ですか？という方は以下の記事を読んでみてくださいね！
テストエンジニアの将来性
IT業界は、みなさんもご存じかと思いますが近年急速に成長しています。その背景には、スマートフォンやクラウドサービスの普及、IoTの進展などが挙げられます。
IT業界の成長に伴い、ソフトウェアやシステムの開発・運用も増加するため、テストエンジニアの需要も高まっています。テストエンジニア無しではみなさんが日頃から使用しているスマートフォンや家電製品などは安心して使うことができません。
具体的には、以下の5つの理由が挙げられます。
- 世の中がどんどんIT化している
私たちの生活は、スマートフォンやパソコン、インターネットなど、IT技術の恩恵を受けています。IT技術の進歩に伴い、ソフトウェアやシステムの開発・運用も複雑化・多様化しています。そのため、テストエンジニアの需要が高まっています。複雑化・多様化する＝テストする項目も増えるイメージです。
- ソフトウェアやシステムの品質が重要視されている
ソフトウェアやシステムの品質は、私たちの生活に大きな影響を与えます。ソフトウェアやシステムにバグがあると、システムが正常に動作しなかったり、情報漏洩などの問題が発生したりする可能性があります。
そのため、ソフトウェアやシステムの品質を担保するテストエンジニアの需要が高まっています。
- クラウド化が進んでいる
クラウド化とは、ソフトウェアやシステムをインターネット上で提供することです。クラウド化により、ソフトウェアやシステムの開発・運用が効率化されています。しかし、クラウド化によってソフトウェアやシステムの複雑性が増加するため、テストエンジニアの需要が高まっています。
- セキュリティが重要視されている
近年、サイバー攻撃の脅威が高まっています。サイバー攻撃からシステムを守るためには、セキュリティテストの重要性が高まっています。そのため、セキュリティテストに精通したテストエンジニアの需要が高まっています。
- 自動化技術が進んでいる
近年、自動化技術の進歩により、テスト作業の自動化が進んでいます。これにより、テストエンジニアの業務量は減少する一方で、テストの精度や効率性の向上が求められています。
みなさんが将来性を心配している理由の一つはこれじゃないですか？
「自動化技術が進んだら、テストエンジニアの仕事がなくなるんじゃないか？」
安心してください！テストエンジニアの仕事は、単にテストを実施するだけではありません。テスターからレベルアップしていくとテストの計画や設計、結果の分析など、人間のスキルや経験が求められる作業も多くあります。
そのため、自動化技術が進んでも、テストエンジニアの仕事はなくなることはありません。むしろ、テストエンジニアのスキルや経験が重要視されるようになってきます！
具体的には、以下のスキルや経験が重要視されると私は考えています。
●テストプロセスやテスト手法に関する知識
●自動化ツールの使用スキル
●テストの品質や効率性を向上させるためのスキル
●コミュニケーション能力
●課題解決能力
これらのスキルや経験を身に付けることで、テストエンジニアは、自動化技術を活用しながら、テストの精度や効率性を向上させ、将来性のある職業として活躍し続けることができます。
さらに、テストエンジニアは、ソフトウェアやシステムの開発・運用の現場を間近で見ることができるため、IT業界の最新トレンドを学ぶこともできます。そのため、テストエンジニアは、IT業界でのキャリアアップにも有利な職業であると言えます。
このように、自動化技術の進展は、テストエンジニアの業務内容やスキルを変化させますが、テストエンジニアの将来性を脅かすものではありません。テストエンジニアは、自動化技術を活用しながら(ここ大事！)、人間のスキルや経験を活かして、テストの精度や効率性を向上させるための取り組みを行っていくことで、将来性のある職業として活躍し続けることができます。
テストエンジニアの将来性について、国内外の調査結果を見てみよう！
ソフトウェア開発において、品質を担保するためには、テストが欠かせません。
以下の国内外の調査結果でもテストエンジニアの需要は今後も高まっていくと考えられています。
国内の調査結果
日本情報システム・ユーザー協会（JUAS）が2022年に実施した調査によると、テストエンジニアの需要は今後も高まっていくと予想されています。
調査結果によると、2025年までにテストエンジニアの需要は約10万人増加すると予想されており、これは2022年と比較して約30%の増加となります。
日本情報システム・ユーザー協会（JUAS）「IT人材白書2022」より
海外の調査結果
また、アメリカの求人検索エンジンIndeedが2022年に実施した調査によると、テストエンジニアの求人は、2023年から2032年の間に約22%増加すると予想されています。
この調査結果によると、テストエンジニアの求人は、他の職種よりも高い成長率を示しています。
Indeed「IT職種の求人動向2022」より
テストエンジニアの将来性が高い理由としては、以下の点が挙げられます。
- ソフトウェア開発の規模や複雑性の増加
- クラウドやモバイルなどの新しい技術の普及
- ソフトウェアの品質に対する意識の高まり
IT未経験者でもテストエンジニアを目指すことは可能ですので、興味のある方はぜひ成長中のテストエンジニア業にチャレンジしてください！
IT未経験者でもテストエンジニアを目指せる理由
テストエンジニア採用担当の私が解説しましょう！
テストエンジニアは、ソフトウェアやシステムの品質を担保するために、テスト設計・実施・評価などを行う職業です。
IT業界の成長やクラウド化の進展などにより、テストエンジニアの需要は高まっています。そのため、IT未経験者でもテストエンジニアを目指すことは十分可能です。
IT未経験者でもテストエンジニアを目指せる理由は、以下です。
- テストエンジニアの仕事は、プログラミングや設計などの専門知識よりも、論理的思考力やコミュニケーション能力が重要！
テストエンジニアの仕事は、ソフトウェアやシステムの品質を担保することです。そのため、プログラミングや設計などの専門知識よりも、論理的思考力やコミュニケーション能力が重要です。
●論理的思考力
テストエンジニアの仕事は、ソフトウェアやシステムに潜むバグを検出することです。バグは、ソフトウェアやシステムの不具合や欠陥のことで、そのまま放置すると、システムが正常に動作しなかったり、情報漏洩などの問題を引き起こしたりする可能性があります。
論理的思考力は、ソフトウェアやシステムの動作を理解し、バグを検出するために必要なスキルです。論理的思考力があれば、複雑な仕様や動作を分析し、想定されるバグを予測することができます。
例えば、以下のような場面で論理的思考力が求められます。
- ソフトウェアやシステムの仕様を理解する
- テストケースを作成する
- テスト結果を分析する
- バグの原因を特定する
●コミュニケーション能力
テストエンジニアは、開発者や運用担当者など、さまざまな人とコミュニケーションをとる必要があります。
テストエンジニアは、開発者から仕様をヒアリングし、テストケースを作成し、テスト結果を報告します。また、運用担当者からシステムの運用状況をヒアリングし、テスト計画を立案します。
コミュニケーション能力がなければ、開発者や運用担当者と円滑にコミュニケーションをとることができず、テストがスムーズに進まない可能性があります。
例えば、以下のような場面でコミュニケーション能力が求められます。
- 開発者や運用担当者と仕様やテスト結果について議論する
- テスト計画やテスト結果をまとめる
- テストに関する問題を解決する
このように、テストエンジニアの仕事は、論理的思考力とコミュニケーション能力が欠かせません。
IT未経験者でも、論理的思考力やコミュニケーション能力を磨けば、テストエンジニアとして活躍することができます。
具体的なスキルの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 論理的思考力：
- 問題を分解し、段階的に解決する
- 複数の条件を組み合わせて考える
- 仮説を立てて検証する
- コミュニケーション能力：
- 自分の考えをわかりやすく伝える
- 相手の意見を傾聴する
- 伝えたいことを整理する
今現在、論理的思考力やコミュニケーション能力が無い人も諦めないでくださいね！
これらのスキルはテストエンジニアとして働きだしてからでも業務を通して身に着けることができます。
テストエンジニアとして活躍できる可能性を高めていきましょう。
- IT未経験者からテストエンジニアデビューした人が多い！
実はテスター(テスト実施のみ)として派遣で働きながらテストエンジニアとしてキャリアをスタートする人は多いです。未経験でも募集案件が多い事、テスターは割と敷井が低いのが理由です。
テスターとして派遣で働きながらテストエンジニアとしてのスキルを身に付けた後、テスト設計やテストリーダーにステップアップする人も多くいます。テスト設計やテストリーダーは、テスターよりも高度なスキルと経験が必要とされます。テスターとしての実務経験を積むことで、これらのスキルと経験を身に付けることができます。
IT未経験者からテストエンジニアを目指す方は、テスターとして派遣で働きながら、テストエンジニアとしてのスキルを身に付けるという方法も検討してみてはいかがでしょうか。
IT未経験者でもテストエンジニアになれた人の事例を紹介
テストエンジニアは、IT経験やスキルがなくても目指せる職種です。筆者自身も、IT未経験からテストエンジニアになり、現在はテストリーダーとして活躍しています。なのでちゃんと実証済みです（笑）
筆者の経歴は以下の通りです。
- 2000年3月：高校卒業後、IT未経験で派遣社員としてテスターデビュー
- 2005年3月：派遣社員としてテスト設計者としてスキルアップ
- 2008年3月：正社員としてテストリーダーに昇格
筆者がテストエンジニアになるために行ったことは、以下の3つです。
- 資格の取得
テストエンジニアになるために、資格の取得は必須ではありません。しかし、資格を取得することで、自分のスキルを証明することができ、就職や転職に有利になります。筆者は、ITパスポートとJSTQB試験の資格を取得しました。これらの資格は、ITの基礎知識とテストの基礎知識を身につけるのに役立ちます。
- パソコンスキルの習得
テスターとして派遣で働くとしてもパソコンの基本的な操作は必須です。
基本的にテストの手順書はExcelで作られている所が多いので、簡単な関数を扱えるレベルまでは頑張ってください。インターネットで検索すれば無料で学べます。
私もブラインドタッチすら出来ませんでしたが、今は完璧？です。
- 実務経験の積み重ね
テストエンジニアになるためには、実務経験が重要です。実務経験を積むことで、テストのスキルを磨き、仕事の進め方を身につけることができます。
筆者は、派遣社員としてテスターとして経験を積みました。最初は簡単なテストから担当し、徐々に難易度の高いテストを担当できるようにしました。また、上司や先輩からアドバイスをもらうことで、スキルアップを図りました。
このように、IT未経験者でもテストエンジニアになることは可能です。資格の取得や独学の勉強、実務経験の積み重ねをすることで、テストエンジニアになることができます。
正しい派遣会社の選び方
初めて派遣社員でテストエンジニアとして働く際の正しい派遣会社の選び方には、以下の3つのポイントがあります。
派遣社員でテストエンジニアとして働いていた期間が長い私が説明します！
- IT関連に特化しているか実績をチェックする
派遣会社もさまざまで、実績は異なります。自分が希望するエリアや業種で、実績のある派遣会社を選ぶことが大切です。 - サポート体制をチェックする
派遣社員として働く場合、派遣会社は就業先の企業との間に立って、さまざまなサポートを行います。入社前の研修や、就業後のスキルアップ支援など、充実したサポート体制のある派遣会社を選ぶとよいでしょう。 - 担当者の対応をチェックする
派遣会社を選ぶ際には、実際に担当者と話をして、対応をチェックすることも大切です。自分の希望や悩みを理解してくれる、信頼できる担当者がいる派遣会社を選びましょう。
具体的には、以下の点に注目するとよいでしょう。
- 自分の希望や悩みを理解しようとしてくれるか
- 丁寧に説明してくれるか
- 親身になってサポートしてくれるか
- テストエンジニアの仕事を熟知しているか
まとめ
「テストエンジニアの将来性はないの？あるの？」について
ご覧頂いたようにテストエンジニアは、IT業界の成長やクラウド化の進展などにより、需要が高まっており将来性はとても高い職業です。
IT未経験者でも、論理的思考力やコミュニケーション能力などのスキルを磨くことで、テストエンジニアとして活躍できる可能性があります。
この記事で一歩踏み出せる方が一人でもいたら嬉しいです！
最後まで読んで頂きありがとうございました。
素晴らしいテストエンジニアライフを！
